公益社団法人 日本表面真空学会



会長からのご挨拶

公益社団法人 日本表面真空学会 会長 福谷克之

2022年5月に会長に就任いたしました。
 新型コロナウイルスの影響を受け、世界中で様々な活動が制限されるようになって2年以上がたちました。行動が制限される一方デジタル技術のおかげで、オフィスや自宅に居ながらにしてリモート会議に出席し、日本だけでなく世界とつながる恩恵を感じることになりました。この2年間は、学会の主たる活動である学術講演会や国際会議、さらに各種講習会もオンラインで開催されました。効率のよい情報伝達・交換を実感する一方で、物足りなさを感じた方も多いのではないでしょうか。この秋には、当学会と日本学術会議主催のもと、日本真空工業会の協力をえて、IVC-22 (International Vacuum Congress)が札幌で開催されました。700人を超える参加者が現地に集まり、久しぶりに直接会って議論・意見交換することで、有意義な時間を過ごしていただけたのではないかと考えています。また来日がかなわなかった海外の参加者にはオンラインで講演・討論していただき、ハイブリッド運営も滞りなくできたと考えています。今回の経験を活かし、今後はアジア諸国や当学会が所属する国際真空科学技術連合(IUVSTA)との連携を深め、国内だけでなく海外の研究者とも日常的に緊密な関係を築き、その中で当学会が中心的な役割を果たしていけるよう考えていきたいと思います。
 当学会は、2018年4月の日本表面科学会と日本真空学会の合併をへて、その活動をより一層発展させてきています。表面・界面の科学、真空技術、プラズマ・薄膜、さらにソフトマター・バイオ界面まで、幅広い分野をカバーする学会となっています。表面と真空の関わる科学・技術は、半導体産業から医療分野まで様々な分野を支える基盤をなしています。これまで以上に産業界とも強い関係を保ち、当学会をさらに発展させていきたいと思います。 現在人類は、地球環境を守り持続可能な社会を構築するという問題に直面しています。そのためには、まず学術の専門分野において理解を深め・究め、確固たる知識・技術を積み重ねることが重要です。その一方、一つの科学・技術を深化させるだけでなく、様々な知を統合・俯瞰し、複雑な問題に向き合うことも求められていると思います。幅広い分野をカバーする当学会にこそ課せられた使命ではないかと考えます。
 会員の皆さまの知恵を結集することで、学会の更なる発展に資するとともに社会の期待に応えていきたいと思います。より一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。



日本表面真空学会 事務局
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