会誌「表面科学」

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 第38巻 第6号  2017年6月

Editor's Choice

人工光合成のスキーム―太陽電池との対比―


表面科学 第38巻 第6号 (2017) p. 260

特集テーマの関連論文

光触媒を用いた太陽光による水からの水素の作り方
久保田 純,堂免 一成
Vol. 36 (2015) No. 2 p. 74

プラズモン誘起人工光合成の構築とPEEMによる緩和過程の追跡
上野 貢生,孫 泉,三澤 弘明
Vol. 35 (2014) No. 12 p. 668

広帯域増感色素と有機金属ハライドペロブスカイトを用いた高効率有機系タンデム太陽電池
木下 卓巳,瀬川 浩司
Vol. 35 (2014) No. 11 p. 627

金属ナノ粒子の局在表面プラズモン共鳴を利用した電荷分離とその応用
立間 徹
Vol. 29 (2008) No. 6 p. 350

光触媒による水分解を目指した表面構造制御と助触媒効果
岩瀬 顕秀,加藤 英樹,工藤 昭彦
Vol. 27 (2006) No. 7 p. 386

色素増感太陽電池における表面科学—光励起色素から半導体光電極への電子注入過程—
加藤 隆二,古部 昭広,荒川 裕則
Vol. 25 (2004) No. 5 p. 272

遷移金属ドーピングによるワイドバンドギャップ半導体光触媒の可視光応答化—水の分解反応を目指して—
加藤 英樹,工藤 昭彦
Vol. 24 (2003) No. 1 p. 31

光合成模倣型光触媒システムによる水の可視光分解
佐山 和弘,荒川 裕則
Vol. 24 (2003) No. 1 p. 19

エネルギー貯蔵型光触媒とその応用
立間 徹,大古 善久,藤嶋 昭
Vol. 24 (2003) No. 1 p. 13

光合成をモデルとした有機分子による光電池
今堀 博,小澤 真一郎
Vol. 19 (1998) No. 6 p. 412

Contents


■ 巻頭言

特集号「人工光合成」に向けて

堂免 一成
Vol. 38, No. 6 (2017) p. 259


■ 特集:人工光合成

(総合報告)
人工光合成の展望

井上 晴夫
Vol. 38, No. 6 (2017) p. 260



(研究紹介)
金属酸化物および硫化物光触媒材料を用いた水の分解および二酸化炭素の還元反応

工藤 昭彦
Vol. 38, No. 6 (2017) p. 268



(研究紹介)
太陽光水素製造を目指した可視光応答型光触媒系の開発

阿部 竜
Vol. 38, No. 6 (2017) p. 274



(研究紹介)
ナノ金属の表面プラズモン共鳴を利用した二酸化炭素の燃料化

葉 金花
Vol. 38, No. 6 (2017) p. 280



(研究紹介)
水と二酸化炭素を原料とした有機物の合成—半導体/金属錯体ハイブリッド光触媒—

森川健志,佐藤俊介,荒井健男,関澤佳太,鈴木登美子
Vol. 38, No. 6 (2017) p. 286



(研究紹介)
金属錯体と半導体を複合化した光触媒および光電気化学セルによるCO2還元反応

栗木 亮,熊谷 啓,前田和彦,石谷 治
Vol. 38, No. 6 (2017) p. 291



(研究紹介)
人工光合成系による二酸化炭素の還元・物質生産

天尾 豊
Vol. 38, No. 6 (2017) p. 297


■ ポピュラーサイエンス

SnO2コーティングによるリターナブルガラスびんの軽量化

天野 勉
Vol. 38, No. 6 (2017) p. 303


■ 連載企画

(伝統産業と表面科学⑥)
和紙の変遷と未来像

山下 実
Vol. 38, No. 6 (2017) p. 307


■ 談話室

(海外研究体験記)
ライデン大学留学体験記

木口 学
Vol. 38, No. 6 (2017) p. 310


(開催報告)
第88回表面科学研究会「光と表面:バイオセンシング・ガスセンシングへの応用」

山本 貴博,本間 芳和
Vol. 38, No. 6 (2017) p. 313


■ 先端追跡

[R-609] TOF-SIMSスペクトルの精密質量解析による分子同定
眞田則明
Vol. 38, No. 6 (2017) p. 315

[R-610] 多分割型STEM検出器による位相差像観察
佐藤智重
Vol. 38, No. 6 (2017) p. 315


■ FOCUS on e-JSSNT
e-JSSNT最新論文 No. 148

■ 編集後記

 光触媒が持続可能社会実現への一助を担うであろうことを認めながらも,今日の研究が実際にどこまで進展しているのかと疑問に思っている読者も多かったのではないでしょうか。人工光合成については目覚ましい発展を遂げております。近い将来,触媒を利用していても「人工」とつける必要のなくなる日が来ることを期待しつつ,本特集を読んでいただければ幸いです。
(一國伸之)

 今回は,先生方のご協力により人工光合成に関する特集が実現いたしました。ナノ粒子や酸化物の表面修飾や物性制御により巧妙に光反応を実現する研究をご紹介いただき,大変勉強になりました。表面・界面の物性と反応のエッセンスが凝縮された領域であるということを改めて再確認し,今後の大いなる進展に期待を寄せる次第です。 
(佐々木岳彦)

 本号の特集では,エネルギー・環境問題の解決策の一つとして期待される“人工光合成”の先端研究を紹介させていただきました。実用化にはまだ越えなければならないハードルがあるようですが,今後の展開が楽しみです。お忙しい中,原稿をお寄せいただいた先生方に厚く御礼申し上げます。 
(武井 孝)


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