会誌「表面科学」

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 第34巻 第12号  2013年12月

Editor's Choice

白金電極上における水素発生反応の第一原理計算

表面科学 第34巻 第12号 (2013) p. 638

特集テーマの関連論文

FM-AFM で観る界面液体構造の化学
日浅 巧, 西岡 利奈, 木村 建次郎, 大西 洋
Vol. 34, No. 7 (2013) p. 352

固液界面へのその場共鳴表面X線散乱法の適用
近藤 敏啓, 魚崎 浩平
Vol. 34, No. 7 (2013) p. 162

原子・分子レベルで見た固液界面
板谷 謹悟
Vol. 31, No. 2 (2010) p. 95

固-液界面の液体のナノ構造形成評価と制御
栗原 和枝
Vol. 30, No. 3 (2009) p. 162

超高真空―電気化学複合装置による電極表面の研究
犬飼 潤治, 板谷 謹悟
Vol. 24, No. 12 (2003) p. 754

電気二重層の実験的シミュレーション
中村 将志
Vol. 24, No. 12 (2003) p. 764

電極表面の第一原理計算
山本 雅博
Vol. 24, No. 12 (2003) p. 771

金属-電解質水溶液界面構造の理論解析
木下 正弘
Vol. 20, No. 4 (1999) p. 288

Contents


■ 巻頭言

「電極反応のシミュレーション」への期待

塚田捷
Vol. 34, No. 12 (2013) p. 623


■ 特集:電極反応の計算シミュレーション

(企画趣旨)
企画の趣旨

赤木和人
Vol. 34, No. 12 (2013) p. 624



(研究紹介)
電気二重層の計算化学

山本雅博
Vol. 34, No. 12 (2013) p. 626



(研究紹介)
電極反応の第一原理計算

陣内亮典,森本友
Vol. 34, No. 12 (2013) p. 632



(研究紹介)
白金電極上における水素発生反応の第一原理的理解に向けて

濱田幾太郎,杉野修
Vol. 34, No. 12 (2013) p. 638



(研究紹介)
白金表面上におけるCOの電極酸化反応―原子レベルでの実験と計算の比較―

犬飼潤治,Donald A. TRYK
Vol. 34, No. 12 (2013) p. 644



(研究紹介)
イオン液体/Li金属界面の第一原理計算

Hubert VALENCIA,香山正憲,田中真悟,松本一
Vol. 34, No. 12 (2013) p. 650



(研究紹介)
燃料電池材料の高性能化・高耐久化を目指したマルチフィジックスシミュレーション

尾澤伸樹,中村耕輔,樋口祐次,久保百司
Vol. 34, No. 12 (2013) p. 656


■ 連載企画

(エネルギー問題と表面科学K)
エネルギー問題と表面科学

森田清三
Vol. 34, No. 12 (2013) p. 662


■ 談話室

(海外研究体験記)
カリフォルニアで博士を取る

清水智子
Vol. 34, No. 12 (2013) p. 664


■ 表面科学技術者資格認定試験例題

表面科学技術者資格認定試験例題 No. 4


■ 先端追跡

[R-525] 量子ポイントコンタクトと0.7異常
小林伸彦
Vol. 34, No. 12 (2013) p. 667

[R-526] 次世代蓄電池としての金属-空気電池(リチウム-空気電池)開発への期待をこめて
近藤敏啓
Vol. 34, No. 12 (2013) p. 667


■ FOCUS on e-JSSNT
e-JSSNT最新論文 No. 113

■ 編集後記

 電極表面科学の大きな課題の一つは,電気二重層の構造と働きをはっきりさせることにあると思います。シンクロトロン放射光やプローブ顕微鏡などを用いた研究により,「電極表面」を超えて「二重層」に迫ろうという実験が精力的に行われておりますが,明確になっていない領域もまだ存在します。こういった領域に踏み込もうと,計算シミュレーションによる長年の研究が続けられた結果,現在では実験家と計算家とで実質的な議論が行えるようになってきております。本分野において,実験と計算との結びつきがますます強くなることを期待いたします。 
(犬飼潤治)

 電極反応は表面科学と材料科学の交叉点に位置する興味深い題材ですが,実際のデバイスの複雑さを前に途方に暮れることも少なくありません。今回は計算機シミュレーションの立場から課題の所在と解決への取り組みをご紹介いただきました。モデルを組み立てるために階層構造やマルチフィジックスを抽出すること自体が挑戦的な課題である現状において,深い洞察と信念を背景に一歩一歩着実な進展があることを感じ取っていただければと思います。 
(赤木和人)


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