■ 巻頭言
■ 特集:クラスタービームとその応用技術
■ 論文
■ 先端追跡
■ 編集後記
クラスターと材料の衝突実験は砲弾の研究に遡るという話を聞いたことがあります。
明治時代頃の砲弾の研究は
いかにして衝突後に砲弾を爆発させずに装甲を貫通させるかが課題であったとのこと。
一方,日本海海戦で日本軍が用いた下瀬火薬装填砲弾は,装甲の表面で爆発して四散するタイプで,
突破力はないものの人的被害が大きく,戦勝に結びついたのだとか。
さて,本号は日本が誇るクラスターイオン技術の最先端の話題の特集となっています。
直進方向に伝わる力が弱いクラスターの特徴を生かして,
いかにソフトに材料と相互作用させるかが研究の主眼になっているようです。
多種多様なクラスターの研究紹介が,皆様の研究や実務の突破口を開くことを願っています。
(眞田則明)
分子・原子の集合体であるクラスタービームを用いた各分野の最新技術を紹介することを目的に,
本特集号を企画し,7編の研究紹介を掲載させて頂きました。
クラスタービームは,モノマービームにはないユニークな特徴を多数持っていますが,
未だに十分理解されていない未踏の領域を多く残しています。しかし,表面平坦化,プローブ,
極浅イオン注入,高機能薄膜,表面処理な徐々に産業応用が始まっています。
本特集号のためにお忙しい中,執筆をご快諾頂きました諸先生方に
この場をお借りして深く感謝いたします。
(中村 誠)
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