日本表面科学会 第52回表面科学研究会
日本表面科学会中部支部 平成18年度中部表面科学シンポジウム
「有機・生体分子による表面の機能化とその科学」
主催:日本表面科学会,日本表面科学会中部支部
協賛(依頼中を含む):表面技術協会,応用物理学会東海支部,日本生物物理学会中部支部
本研究会では,生体分子を含む有機物による表面修飾と機能化について,当該分野で活躍されている研究者の方々にご講演いただくとともに,無機系表面科学との接点および融合について議論を行っていく予定である.多くの方々の参加をお持ちしております。
1.開催日時 2007年1月27日(土) 13:00〜17:00
2.場所 名古屋大学ベンチャービジネスラボラトリー(VBL)・ベンチャーホール
(名古屋市千種区不老町)
3.プログラム (講演概要は末尾に記載)
13:00−13:10
あいさつ
財満 鎭明 (名古屋大学,日本表面科学会中部支部支部長)
13:10−13:50
二次元場を介したナノ構造の光制御
関 隆広 (名古屋大学)
13:50−14:30
機能性樹木状高分子の表面固定化
今栄 東洋子 (慶應義塾大学)
14:30−15:20
スラブ光導波路分光法を用いた固液界面におけるタンパク質の吸着挙動と機能のその場測定
松田 直樹 (産業技術総合研究所)
(15:20−15:40 休憩)
15:40−16:20
磁性ナノ微粒子を用いたTissue Engineering
本多 裕之 (名古屋大学)
16:20−17:00
糖鎖を用いた機能材料設計
三浦 佳子 (北陸先端科学技術大学院大学)
4.参加費及びテキスト代(消費税を含む;当日会場にて受付)
参加費 日本表面科学会会員(協賛学会会員を含む)1000円,非会員:2000円,学生:無料
テキスト代 1000円
5.申込方法
参加定員100名
参加予約方法
官製はがきまたはFAXないしはE−mailを使用し、次の項目を記入し、下記の申込先へお申込みください.
締切り:1月20日(土)
1)第52回表面科学研究会
2)氏名(ふりがな)
3)連絡先(勤務先または自宅住所,TEL,FAX,E−mail)
4)参加区分(日本表面科学会会員,協賛学会会員,非会員,学生)
注)お申し込みに際しご記載いただきました連絡先は、表面科学会が主催する本件以外のセミナー・講演会などのご案内にも使用させていただく場合がございます.ご案内がご不要な方はお手数ですがその旨お申し出下さい.
6.申込先
秋本 晃一 (日本表面科学会中部支部事務局)
名古屋大学大学院工学研究科量子工学専攻
〒464-8603 名古屋市千種区不老町
7.会場案内
名古屋大学ベンチャービジネスラボラトリー(VBL)・ベンチャーホール
JR名古屋駅から名古屋市営地下鉄 「名古屋大学」
下車
(東山線本山駅乗換、名古屋大学まで約30分)
名古屋大学駅3番出口から徒歩3分
齋藤 永宏
名古屋大学大学院工学研究科物質制御工学専攻
〒464-8603名古屋市千種区不老町
TEL:052−789−4699 FAX:052−789−4699
日本表面科学会 〒113-0033東京都文京区本郷2-40-13
本郷コーポレイション402 TEL:03−3812−0266,FAX:03−3812−2897,E−mail:shomu@sssj.org URL:http://www.sssj.org |
「二次元場を介したナノ構造の光制御」 関 隆広 (名古屋大学)
物質の配向手段として、磁場・電場・流動場が多く利用されるが、光による構造制御と配向制御の知見も最近多く蓄積されてきている。光は、エネルギー、強度、偏光性、位相などの情報を同時に有しているため、これらを多面的に受け取る材料系を設計することにより、他の手段では達成が困難な高度な構造制御とパターン化を達成しうる可能性がある。
本講演では、光反応を用いた分子配向、さらにはそれより大きいサイズレベルの階層構造(メソ領域、ミクロ領域、巨視的領域など)の構造制御や配向制御を目指した当研究室のアプローチを紹介する。
「機能性樹木状高分子の表面固定化」 今栄 東洋子 (慶応義塾大学)
デンドリマーは、内部空隙を利用したゲスト分子の内包能と、周辺に位置する多数の末端基によるゲスト分子の捕獲能を備えた機能性樹木状高分子である。これら機能性を生かしたデバイスやセンサーを構築するために、種々の方法でデンドリマーを基板に固定する試みが行われている。ここでは、吸着膜、ラングミュア膜、化学結合膜からなるデンドリマー複合膜の生成とその機能特性を紹介する。
「スラブ光導波路分光法を用いた固液界面におけるタンパク質の吸着挙動と機能のその場測定」
松田 直樹 (産業技術総合研究所)
我々が開発したスラブ光導波路(slab optical waveguide : SOWG)分光法は紫外−可視の広い波長範囲の(白色)光を同時に伝播させる事が可能で、界面に極微量だけ吸着した物質の吸収スペクトルのその場測定に適している。タンパク質の希薄溶液を用いSOWG分光法で吸収スペクトルのその場測定を行いガラス上におけるタンパク質の初期吸着現象を観察し,更に数十ミリ秒間隔で吸収スペクトルを連続的に観察する時間分解測定を行い吸着量の経時変化から吸着初期過程を観察し固液界面における相互作用を検討した結果を述べる。
「磁性ナノ微粒子を用いたTissue Engineering」 本多 裕之 (名古屋大学)
我々はこれまでに、ナノ磁性微粒子であるマグネタイトを正電荷脂質を含むリポソームで包み込んだ材料、マグネタイトカチオニックリポソーム(magnetic cationic liposome, MCL)を作成し、この材料を用いた細胞の磁気ラベルと、磁気によるハンドリングを研究している。今回は生体内に埋め込むスキャホールドに効率的に播種する方法や、骨組織への分化、細胞シート表面への毛細血管の構築など、最新の成果について報告する。
「糖鎖を用いた機能材料設計」 三浦 佳子 (北陸先端科学技術大学院大学)
細胞表層の糖鎖は生体シグナル分子として働き、細胞接着、病原体の感染、疾病の発症、癌の転移など多くの生命現象に関与している。このような働きを持つ糖鎖を高分子や薄膜に組み込むことで材料創製が可能になり、生体アレイ、培養基材、高分子医薬として、応用することができる。本研究では、糖鎖を機能素子として用いたバイオセンサーとそれを元にして創製した高分子医薬について講演を行う。