(社)日本表面科学会中部支部主催/(社)応用物理学会東海支部 協賛
市民講座 やさしい表面科学 「省エネ・エコと表面」
日本表面科学会中部支部では、毎年、市民講座 やさしい表面科学 を開催しております。今年の市民講座のテーマは「省エネ・エコと表面」です。3名の先生をお招きして、ガラス素材、熱電変換発電、超親水、超撥水といった表面・薄膜分野からの切り口で、やさしく省エネ・エコに関するお話をしていただきます。また、途中長めのコーヒーブレイク(サイエンス・カフェ)の時間をとり、講演内容に関する演示や展示を行いますので、講師の先生と直接お話しできる機会もございます。皆様のご参加をお待ちしております。
日時 2009年8月1(土) 13:30−16:40
会場 名古屋工業大学 F1教室 (名古屋市昭和区)
(JR中央本線 「鶴舞」下車 名大病院口徒歩7分)
(地下鉄鶴舞線 「鶴舞」下車 4番出口徒歩10分)
定員 80名(参加費無料、定員超過等の場合はご連絡致します)
プログラム(講演概要)
13:30−13:35 あいさつ
市川 洋 (支部長、名古屋工業大学 大学院工学研究科)
13:35−14:20 「21世紀のエネルギー材料−排熱を電気に変える−」
西野洋一 (名古屋工業大学 大学院工学研究科)
14:20−15:05 「透明な状態と鏡の状態がスイッチングできる省エネルギーガラス[調光ミラー]」
吉村和記 (産業技術総合研究所)
15:05−15:50 サイエンス・カフェ、演示・展示
15:50−16:35 「ウエットプロセスナノコーティングと実用化」
白鳥世明 (慶應義塾大学 理工学部)
16:35−16:40 むすび
吉村雅満 (豊田工業大学 大学院工学研究科)
お申し込み方法
はがき、FAXまたは電子メールで下記までお申し込みください。
その際、「やさしい表面科学 申し込み」と明記し、下記項目をご記入下さい。
・参加人数
・氏名
・所属(学校名、職業)
・住所
・電話番号
・E-mailアドレス等
なお、この申込みにてお知らせいただく情報は、市民講座への参加者の把握・連絡にのみ使用します。
締め切り 7月27日(月)
お申し込み・お問い合わせ先
住所:〒466-85551 名古屋市昭和区御器所町
名古屋工業大学 機能工学専攻 安部功二
FAX: 052-735-5418
E-mail:abe@nitech.ac.jp
【講演の概要】
「21世紀のエネルギー材料−排熱を電気に変える」
西野 洋一 先生 (名古屋工業大学 大学院工学研究科)
光から電気をつくる太陽電池のように、エネルギー変換の機能をもつ材料をエネルギー変換材料という。熱と電気エネルギーの変換材料をとくに熱電材料と呼び、熱電材料に温度差を与えると、高温部と低温部の間に電位差(電圧)が生じる。つまり、熱電材料は排熱さえも電気エネルギーに変換することができる。このような熱電発電は、エネルギ−・環境問題のキーテクノロジーとして期待されている。私たちのグループが開発したホイスラー化合物熱電材料は有害な元素を含まない環境調和型の材料として注目されており、最近、オートバイのマフラーに搭載して熱電発電可能なユニットを開発したので、実用化の応用例として紹介する。
「透明な状態と鏡の状態がスイッチングできる省エネルギーガラス[調光ミラー]」
吉村 和記 先生(産業技術総合研究所)
窓の目的は光を取り入れることにありますが、通常のガラスでは熱もよく透過するため、冷暖房のエネルギーを逃がしてしまいます。そこで、熱や光の出入りをガラス自身で調節することで冷暖房負荷を下げようというのが「調光ガラス」で、大きな省エネルギー効果が期待されています。「調光ミラー」は最近注目されている新しい調光ガラスで、透明な状態と鏡の状態が切り替えられるガラスです。鏡状態にして太陽光を効果的に遮断することで、冷房負荷を大きく低減することができます。この「調光ミラー」を中心に、様々な省エネルギーガラスを紹介します。
「ウエットプロセスナノコーティングと実用化」
白鳥 世明 先生(慶應義塾大学 理工学部)
ナノコーティングというと難しく感じますが、ここでは水溶液中で分子やその集合体の動きをコントロールして目には見えない厚みの薄いフィルムを作る技術を語ります。複雑な真空装置を使わずに「薄膜」を作製できるため、身近な用途展開が広がります。超撥水コートは自動車や繊維、衣類、木材、プラスチック、金属表面等の汚れ防止に。導電性高分子を薄くコーティングすると透明なタッチパネルやフレキシブルプリント基板、静電気防止や帯電防止に。ガラスやレンズへの反射防止、汚れ防止にも、医療用途にも展開する可能性があります。一方ナノファイバーは、紙のシートのようにナノ繊維を扱えます。医療や環境応用に期待されます。当日はナノコーティングを目に見える形で表現したトレーやフィルムや繊維でナノコーティングを体験していただきながら、幅広い実用化への夢を共有していただければ幸いです。
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