基調講演 Plenary Talks
藤井 賢一(産業技術総合研究所) Kenichi Fujii (AIST)
「プランク定数にもとづくキログラムの新しい定義:130年ぶりの定義改定」
国際単位系(SI)において人工物に頼る最後の基本単位であるキログラムの定義を改定するために,産総研と海外の研究機関が協力し,2004年からアボガドロ国際プロジェクトを開始した。このプロジェクトでは28Siだけを濃縮した5kgの単結晶を作製し,この結晶から得られた1kgの球体に含まれる原子の数をX線結晶密度法によって測ることによって,キログラムの定義として用いられてきた国際キログラム原器の質量安定性を超える精度でアボガドロ定数を測ることに成功した。2017年10月に科学技術データ委員会(CODATA)が実施した基礎物理定数の特別調整では,このプロジェクトで得られたアボガドロ定数の値などを用いて,キログラムの新しい定義として用いられるプランク定数の値が決定された。さらに,この値を用いてキログラムの定義を改定することがメートル条約にもとづいてベルサイユで開催された総会において2018年11月に採択された。これによって,SIは人工物などに頼らない理想的な単位系へと進化した。本講演では130年ぶりとなるキログラムの定義改定に貢献した計測技術を紹介し,キログラムの定義改定がもたらす新しい計測技術について展望する。
辻村 学(荏原製作所) Manabu Tsujimura (Ebara Co.)
半導体は2005年を境に開発の方向が大きく3方向に分かれた。① More Moore(微細化は続く),② More than Moore(微細化に頼らない)と ③ Beyond CMOS(新しいトランジスタ)だ。半導体製造プロセスはこれまで半導体開発を支え,ドライ革命(油回転ポンプからドライポンプへ)やウエット革命(めっきや研磨)を実現してきた。2030年には半導体はいよいよオングストローム世代を迎える。ここでは「表面と真空技術」を応用した新しい革命技術が期待されている。本講演では、半導体の過去・現在・未来を俯瞰し,表面技術や真空技術がどのような役割を果たしてきたか,更には今後どのような進化が望まれているかを紹介する。そしてJVSSの明るい未来を共に考えたい。
Zhenchao Dong(University of Science and Technology of China)
「STM-based single-molecule optoelectronics」
Control of optical properties of single molecules by plasmonic nanostructures is an important issue in plasmonics and nanophotonics, particularly valuable for the development of molecular optoelectronic devices and ultrasensitive high-resolution microscopic techniques. The nanocavity defined by the coinage-metal tip and substrate in a scanning tunneling microscope (STM) can provide highly localized and dramatically enhanced electromagnetic fields upon proper plasmonic resonant tuning, which can modify the excitation and emission of a single molecule inside and produce intriguing new optoelectronic phenomena. In this talk, I shall demonstrate two STM-based phenomena related to single-molecule optical spectroscopy. The first phenomenon is single-molecule Raman scattering. The spatial resolution of tip enhanced Raman spectromicroscopy has been further driven down to a single chemical-bond scale. Such simultaneous energetically and spatially resolved capability for vibrational-mode mapping opens up a new route to determine molecular chemical structure by optical imaging at only a single molecule. The second phenomenon is single-molecule electroluminescence (SMEL). Following a brief discussion on the excitation mechanism of SMEL, I shall demonstrate how sub-nanometer resolved electroluminescence imaging can be used to gain insights into the intramolecular vibronic coupling caused by the interaction between electronic and nuclear motions, unveiling in real space how molecular vibrations shape molecular wavefunctions and induce electronic transitions.
International Joint Symposium (14:40 ∼ 18:35, 29 October, 2019 @ Room 201B)
Application of Synchrotron Radiation for the Analyses of Surface/Interface
Hyun-Joon Shin (Pohan Accelerator Laboratory, Koera)
Angel Yanguas-Gil (Argonne National Laboragtory, UAS)
Tetsuro Shirasawa (AIST, Japan)
Junfa Zhu (Univ. Sciences and Technology of China, China)
Yan-GU Lin (National Synchrotron Radiation Research Center, Taiwan)
Bongjin Simon Mun (Gwangju Institute of Science and Technology, Korea)
Hiroshi Kondoh (Keio Univ.)
招待講演 Invited Talks
中辻 寛(東京工業大学),渡邊佳英(豊田中央研究所),赤池幸紀(産業技術総合研究所),細貝拓也(産業技術総合研究所),土佐正弘/佐々木道子/後藤真宏(物質・材料研究機構),栗巣普揮(山口大学),篠原 正(物質・材料研究機構),吾郷浩樹(九州大学),安 東秀(北陸先端科学技術大学院大学),中野武雄(成蹊大学),手老龍吾(豊橋技術科学大学),平山雅章(東京工業大学)
ダイバーシティシンポジウム Diversity Symposium
「第2回ダイバーシティシンポジウム~つくばの女性研究者と考える未来のサイエンス~」
帯刀陽子(東京農工大学)
「有機導電性分子を用いたナノコイル構造の作製とその特性」
山本今日子(AGC株式会社)
「フッ素技術に基づくバイオインターフェイス」
橋本綾子(物質・材料研究機構)
「試料ホルダーを用いたその場TEM観察による触媒解析」
小坂眞由美(NEC システムプラットフォーム研究所)
「ナノカーボンの材料技術とデバイス応用」
大矢根綾子(産業技術総合研究所)
「過飽和溶液法による表面機能化とバイオメディカル応用」
西村麻里江(農業・食品産業技術総合研究機構)
「表面特性でカビを防ぐ」
中西和嘉(物質・材料研究機構)
「界面における分子コンフォメーション制御」
福田伸子(産業技術総合研究所)
「印刷技術を利用した積層デバイス製造」
シンポジウム Symposium
企画シンポジウム
「表面・界面を場とする量子の流れ~情報伝達とエネルギー変換を目指して~」
「半導体製造の最前線~極限を超える微細加工と計測技術のこれから~」
公募シンポジウム
部会セッション Division Sessions
「表面・界面における生体分子・細胞の創成と精密制御」ソフトナノテクノロジー研究部会
「光や量子線を用いた電極科学の進展」 電極表面科学研究部会
「放射光を利用したオペランド表面界面観測の最先端:構造から機能・反応へ」放射光表面科学研究部会
「表面分析における定量とは」 表面分析研究部会
「微小エネルギーの観測と制御」摩擦の科学研究部会
「複雑系におけるマテリアルズインフォマティクス」データ駆動表面科学研究部会
「局所分光とバイオ計測」プローブ顕微鏡部会
「安心・安全な生活を支えるスパッタ成膜技術」 SP部会
「多様な気体の流れの構造とその応用」 真空技術部会
スクールコース School Course
「表面科学研究のための超高真空技術」 講師:山川 紘一郎(日本原子力研究開発機構)
展示会参加企業 Exhibitors
コスモ・テック株式会社
シエンタオミクロン株式会社
日本電子株式会社
有限会社クリスタルベース
ライボルト株式会社
北野精機株式会社
産業技術総合研究所
株式会社岡野製作所
株式会社VICインターナショナル
IOP Publishing
(英国物理学会出版局)
入江工研株式会社
真空光学株式会社
株式会社テクノポート
フィルジェン株式会社
NTTアドバンステクノロジ株式会社
オックスフォード・インストゥルメンツ株式会社
ツジ電子株式会社
株式会社荏原製作所
有限会社テク
株式会社NanoAndMoreジャパン
株式会社ユニソク
大亜真空株式会社
ゼネラル物産株式会社
株式会社東京インスツルメンツ
日本スウェージロックFST株式会社
株式会社島津製作所
東京電子株式会社
平和電機株式会社
株式会社旭プレシジョン
株式会社ティ・ディ・シー
株式会社堀場エステック
株式会社三友製作所
国立大学法人筑波大学
物質・材料研究機構
株式会社トヤマ
伯東株式会社
株式会社アールデック
樫山工業株式会社
株式会社アルバック
佐藤真空株式会社
株式会社アイリン真空
ケニックス株式会社
株式会社日立ハイテクノロジーズ
アステラテック株式会社
株式会社フジ・テクノロジー
東和工業株式会社
株式会社大阪真空機器製作所
主催・協賛・協力
主催 Organizer
公益社団法人 日本表面真空学会 The Japan Society of Vacuum and Surface Science
協賛 Supporting Organizers
映像情報メディア学会,応用物理学会,化学工学会,原子衝突学会,低温工学・超電導学会,電気学会,電子情報通信学会,日本加速器学会,日本機械学会,日本金属学会,日本顕微鏡学会,日本原子力学会,日本材料学会,日本質量分析学会,日本真空工業会,日本チタン協会,日本鉄鋼協会,日本半導体製造装置協会,日本物理学会,日本分析化学会,日本放射光学会,表面技術協会,プラズマ・核融合学会
協力 Sponsor
一般社団法人 つくば観光コンベンション協会
茨城県つくば市
お問合せ Contact
2019年学術講演会に関するお問合せは,日本表面真空学会事務局までお願いします。
窓口担当:講演大会事務局
E-mail: taikai2019@jvss.jp
Tel: 03-3812-0266
Fax: 03-3812-2897