新年あけましておめでとうございます。皆様はいかがお過ごしでしょうか?
昨年は日本表面科学会と日本真空学会とが合併し,日本表面真空学会と言う新しい学会になった記念すべき年でした。それに伴い……いえ,実際には学会合併を待たずして……昨年1月より新しい会誌『表面と真空(Vacuum and Surface Science)』を発行いたしました。1月号の発行時は二つの学会の併記だったのに対し,4月号からは日本表面真空学会の名となっています。4月号は皆様にとっては小さな表紙デザインや奥付の変更だったかもしれませんが,我々編集委員は学会の合併タイミングと,原稿の締め切り・入稿タイミングなど,ヒヤヒヤしながら印刷所に送りました。入稿タイミングには,未だ学会は合併していなかったのですから。執筆いただく先生方にも書式の統一や投稿方法など,多大なお手数をおかけしたと思います。それにもかかわらず,原稿をお送りいただいた先生方に,心から感謝を申し上げます。
二つの学会が合併したことは,専門の異なる会員がひとつの学会に存在するようになったということです。ともすれば専門性を追求し,最先端部分だけを報告する傾向のあった学会誌の研究紹介を,より広い会員にわかりやすくなるよう,著者の先生方に何度もお願いし,書き直していただきました。「わかりやすい」というのは「浅い」という意味ではありません。いかに論文の深いところまで読者に理解させるか,それが勝負になります。論文や研究紹介の査読・閲読の重みも,昨年1年は増していたのではないかと思います。我々の自己満足かもしれませんが,号ごとの違いはあるものの,専門の違う研究者や学生たちにも,それぞれの内容が伝わりやすい会誌となったと思います。
今年は会誌の内容をより充実させる年だと思います。会員がどのような記事を求めているのか,あるいはどのような記事なら非会員でも読みたいと思うのか,そしてそれらを会員の増加にどう繋げていくか,調査し考えていかなければならないことは,まだまだたくさんあります。皆様の意見を反映し,よりよい会誌を作っていければ幸いです。
最後になりましたが,会員の皆様がご健勝で更なる飛躍を遂げられることを,編集委員一同,願っております。
2019年1月1日
日本表面真空学会編集委員長 板倉明子(物質・材料研究機構)